
クレジットカード会社の役割について簡単にご説明します。
とても基本的な内容ですが、審査や不正利用など、クレジットカードにまつわる業務を理解するにあたって基礎となる重要な知識になります!
クレジットカード決済の導入を検討させている方は、ぜひお読みください。
カード会社=カードを発行している だけではない
カード会社、というと「カードを発行している会社のことか」というイメージされる方が多いと思いますが、カード会社の業務は「カードを発行してユーザーに使ってもらうこと」だけではありません。
「クレジットカードの決済を導入するにはクレジットカード会社の審査が必要である」、というのはなんとなくイメージがあるかと思いますが、では実際にカード会社はどのような立場で加盟店の審査をするのでしょうか???
お客様からも実際に、「カード発行会社の全部の審査を通らないといけないということ??」とご質問いただいたことがあります。
カードを発行する=イシュイング
ユーザーに対してカードを発行する業務のことを、「イシュイング」といいます。そして、その業務を行うクレジットカード会社は「イシュア」と呼ばれます。こちらは、どなたでもイメージがつきやすいと思います。
加盟店契約管理=アクワイアリング
クレジットカード決済を導入する加盟店の開拓や、審査および管理をする業務のことを「アクワイアリング」といいます。そして、その業務を行うクレジットカード会社は「アクワイアラ」と呼ばれます。つまり、お店Aでカード決済を導入したいと思ったら、まずはアクワイアラと加盟店契約を結んで加盟店となる必要があります。それにあたって、アクワイアラとしてのカード会社が、各店舗を加盟店として適切であるかを審査するのが、いわゆる「クレジットカード決済導入のための審査」です。加盟店にとっては、加盟店契約を結ぶカード会社との契約関係が非常に重要になります。
大きな会社では複数業務を行っているのが一般的
大きなクレジットカード会社では、イシュイングもアクワイアリングもどちらも行なっているケースが多いです。
つまり、カード会社には「イシュアとしてのカード会社」と「アクワイアラとしてのカード会社」の側面があります。
複数業務を行なっている場合の具体例
イシュイング、アクワイアリングいずれも行なっているクレジットカード会社Aとクレジットカード会社Bがあったとします。

- オンラインストアCはアクワイアラとしてのカード会社Bと加盟店契約を結んでいるので、カード会社Bの審査を受けています。
- オンラインストアDはアクワイアラとしてのカード会社Aと加盟店契約を結んでいるので、カード会社Aの審査を受けています。
それでも、カード保有者は何も意識せずにどちらのオンラインストアでもカード会社A /Bそれぞれで発行されたカードで、自由に買い物ができます。オンラインストアCではカード会社Bのカードしか使えない!というようなことはもちろんありません。
なお、イシュア=アクワイアラとなるケースももちろんありますが、ユーザーおよび加盟店にとっては特段大きな影響はありません。
決済代行会社とクレジットカード会社の関係
対面決済と違い、オンライン決済においては端末を店舗に置くだけで決済ができる、というわけではないため、加盟店とアクワイアラが直接契約を結ぶことはまれです。(こちらはまたの機会に別の記事で解説させていただきます。)
そのため、われわれPAY.JPのような決済代行会社が、間をつなぐ役割をしています。
先ほどの画像の例だと、オンラインストアとアクワイアラの間に入り、審査や契約の代行を行なっているとお考えください!
仕組みの理解が重要な理由
カード決済が行われた際のお金の流れは、簡易化すると下記のようになっています。
エンドユーザー ⇨ イシュア ⇨ アクワイアラ ⇨ 決済代行会社 ⇨ 加盟店
各社の役割やお金の流れを理解することで、審査をするアクワイアラにとって「何がリスクか」を考えやすくなります。
トラブルが起きたとき、不正利用が発生したときに、カード会社としてリスクになるのはなんなのか、それを紐解くことで審査のコツや不正対策として取り組むべき内容が見えやすくなります。
今回の記事は以上です。